企業は信用で成り立っています。掛け取引で決済口座から現金が引き落とせなかった場合、半年に2回以上発生すると市場から退場することになります。なので、企業経営のなかで最も重要な指標とは、キャッシュ(現金・預金)残高となります。損益計算書上の当期純利益がプラスであっても、入出金のタイミングで残高がショートする場合があります。
キャッシュがショートしないように、資金繰り表で管理することがとても重要となります。資金繰り表とは、毎月のキャッシュの動きを3つの側面の収支、すなわち経常収支、設備収支、財務収支の積上げで表します。
当月のキャッシュ=前月のキャシュ+経常収支+設備収支+財務収支
経常収支とは、営業に関するキャッシュの収支のこと。設備収支とは、設備の売却・取得に関するキャッシュの収支のこと。財務収支は、銀行からの借入または返済によるキャッシュの収支のこと。
最も重要な収支は、経常収支です。これが、プラスでないと、設備投資も出来ないし、借入金返済も出来なくなります。
会社のライフサイクル(創業期、成長期、成熟期、衰退期)でこれらの3つの収支にはおおよそ特徴が出てきます。例えば、創業期→成長期では、経常収支はマイナスからプラスに転じても、資金需要は多きいため銀行からの借入を検討する必要があります。そこで、重要なのは事業計画、資金繰り表です。資金需要に対する論理的な説明を銀行に行うために必ず準備する必須アイテムとなります。
銀行とのコミュニケーションはとても重要です。銀行に対する適時適切な情報開示を行うことで、信頼を獲得しなければ、企業経営の舵を切るのは難しいです。経営コンサルの仕事をして、資金繰り改善が必要な会社様が多いので取り返しのつかない状況になるまえに改善をしていくことを強くお勧め致します。