今回の講座では、戦略的マーケティングの中でも特に
- 製品ポートフォリオ・マネジメント(PPM)
- 事業ドメイン
の2つの重要概念を解説しました。
1. 製品ポートフォリオ・マネジメント(PPM)
BCGが開発した、事業間の資源配分を決定するための分析ツール。
事業や製品を 「市場成長率」 と 「相対的市場シェア」 の2軸で分類します。
- 花形:成長率・シェアともに高い。資源を投下して成長維持。
- 金のなる木:成長率は低いがシェアが高く、安定して利益を生む。
- 問題児:成長率は高いがシェアが低く、投資判断が必要。
- 負け犬:成長率・シェアともに低く、撤退も検討。
戦略の方向性:
- 拡大戦略:問題児、花形
- 維持戦略:花形、金のなる木
- 収穫戦略:金のなる木、負け犬
- 撤退戦略:負け犬、問題児
※欠点として、キャッシュフロー面だけに着目しがちで、シナジー効果を考慮しない点がある。
2. 事業ドメイン
事業ドメインとは、企業が自ら定める事業領域のこと。
- 企業ドメイン:会社全体の事業領域
- 事業ドメイン:複数事業がある場合の各事業領域
定義の3要素:
- 誰に(顧客層)
- 何を(顧客機能)
- どのように(代替技術)
重要な視点は、「自社は何の会社か?」を顧客ニーズから定義すること。
まとめ
戦略的マーケティングを考えるうえで、PPMで資源配分を見極め、事業ドメインで自社の立ち位置を明確化することが重要です。
これらを理解・活用することで、事業成長の方向性をより戦略的に描けるようになります。