事業承継 第3者承継 M&A 中小M&Aガイドライン 第3版 M&A支援事業者 | なむら経営コンサルタント

中小M&Aガイドライン(第3版)の概要解説

M&A

今回のブログでは、事業承継に関して、親族内承継、従業員承継となる後継者が見当たらない場合に、第3者承継として、特にM&Aを検討されている売り手の事業者に対して、中小M&Aガイドライン(第3版)の概要を解説するものです。

経産省より中小M&Aガイドライン(第3版)が発行されました。第2版からの特徴的な改訂ポイントは、以下の3点です。

  • 不適切な譲受者(買い手事業者)の排除:契約不履行など悪質事例への対策強化。売り手と買い手をマッチングする際に特に仲介業者の利益相反行為の危険性があることを踏まえて、M&A支援事業の報酬に関して、公表すること。また、ガイドライン(第3版)で規定されている各種禁止事項を行わないという宣言を行うことが必要となりました。
  • 手数料・契約内容の透明化:中小企業(売り手、買い手事業者)が理解すべきポイントを強調。
  • 仲介者・FAの責務強化:誤解・トラブル防止のための説明義務・広告規制。

売り手と買い手の事業者が相互に互恵関係を持ち、スムーズな第3者承継を行うことで地域の経済発展に貢献できるように当事業所もご支援していく所存です。また、本内容に関係してYouTube動画もアップしていますので、合わせて視聴賜ればありがたいです。

中小M&Aガイドライン(第3版)概要

■ ガイドラインの目的

中小企業の「後継者不在問題」に対応し、第三者への事業承継を円滑に進めるための指針を提示。M&Aの知識・経験が乏しい経営者や支援機関に対し、具体的な手順・留意点を提供しています。

第1章:後継者不在の中小企業向け手引き

1. 中小M&Aの意義

  • 廃業回避の手段として、社外第三者へのM&Aによる承継が重要。
  • 経営者の個人信用や人柄など属人的要素の影響が大きいのが特徴。

2. M&Aの進め方

  • M&Aフロー:相談 → 準備 → マッチング → 交渉 → 契約 → クロージング → PMI(統合プロセス)。
  • 準備事項:株式・資産の整理、経営ビジョン明確化、支援機関への相談。
  • マッチング支援:仲介者やFAを活用、M&Aプラットフォームの利用も。
  • 契約・交渉:秘密保持契約、表明保証、対価支払い、経営者保証の解除に関する取り決め。
  • トラブル対応:契約違反や信義則違反へのリスク回避策も記載。

第2章:支援機関向けの基本事項

1. 支援機関の役割

  • M&A専門業者、金融機関、士業、商工団体などが連携し、企業の事情に応じた支援を行う。
  • 支援の質と透明性の向上が求められる。

2. 仲介・FA業者への指針

  • 手数料の明確化:レーマン方式や最低報酬の説明責任。
  • 利益相反防止:不適切な譲り受け側の排除、契約不履行の監視。
  • 説明責任:契約前の書面交付や重要事項の丁寧な説明が必須。

3. 各支援者別の特徴と支援内容

  • 公認会計士・税理士:財務・税務DD、株式評価、ガバナンス支援。
  • 弁護士:契約書作成、法的DD、不適切な取引への対応。
  • 中小企業診断士:企業価値向上支援、事業内容の見える化。
  • 金融機関:M&A後の融資支援、経営者保証対応。
  • 商工団体:地域密着型の相談窓口、支援機関への橋渡し。
  • M&Aプラットフォーマー:Webを通じたマッチング支援。