「旅館の土地も建物も、ずっと自分名義のまま——」
そんな悩みを抱えていたのは、ある老舗旅館の経営者でした(※これは複数の支援事例をもとに構成した、架空のストーリーです)。
今回は、この物語を漫画形式でご紹介しながら、個人名義で資産を持ち続けることのリスクと、法人化という選択肢について考えてみたいと思います。
物語:老舗旅館・高倉屋の決断
茨城県内のとある温泉地で、三代続く老舗旅館を営む高倉誠一さん(66歳・仮名)。長女夫婦への承継を考えながらも、東京で働く長男のことも気にかかり、夜も眠れない日々を過ごしていました。
商工会の紹介で出会った中小企業診断士の南村が、まず行ったのは「資料より先に、社長の想いを聞くこと」。そこから見えてきたのは、個人名義のまま資産を抱え続けることに潜む、3つのリスクでした。
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個人名義の資産が抱える3つのリスク
物語の中で南村が指摘したのは、次の3点です。
- 税金 個人の所得税・住民税は、所得が上がるほど税率が高くなります(最高税率は住民税とあわせて約55%)。
- 相続 不動産は現金のように分割しにくく、相続人が複数いる場合、トラブルの火種になりやすい資産です。
- 認知症 判断能力が低下すると、口座や不動産の取引が事実上凍結されてしまうことがあります。
法人化という”器”を使う発想
高倉さんのケースで南村が提案したのは、次のような考え方です。
- 普通株式は後継者に、無議決権株式はその他の家族に——経営権を一つにまとめながら、気持ちは公平に分ける
- 家族を役員として登記しておくことで、もしものときも事業を止めずに済む可能性がある
- 資金を会社と個人で分けることで、金融機関からの信用向上にもつながる
個人の課税所得が800万〜900万円を超えるあたりから、法人化を検討する一つの目安になるとされています(目安であり、必ず個別の試算が必要です)。
より詳しい内容は、以前の記事でも解説しています。
→ 社長の個人資産は直接持つな!法人化で資産を守る5つのメリット
まとめ
「うちはまだ大丈夫」と思っていても、税金・相続・認知症というリスクは、経営者であれば誰にとっても他人事ではありません。大切なのは、元気なうちに、一つずつ備えておくことです。
一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
※本記事の登場人物・企業名・地名はすべて架空であり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。複数の支援事例の要素を組み合わせた創作です。
※法人化・相続・税務に関する実行には、税理士・司法書士など専門家による確認が必要です。本記事は一般的な考え方の紹介であり、個別の助言を目的としたものではありません。
なむら経営コンサルタント
中小企業診断士 南村恵三
